身体にも環境にもやさしい、「プラントベース」という食事法を知っていますか?植物由来の食品をすすめる食事法ですが、ビーガンやベジタリアンより気軽に取り入れやすいと、今注目を集めています。そこで新しい食事法「プラントベース」についてご紹介します。食事のあり方を見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

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新型コロナウイルスの影響で、アメリカでは肉類の供給が大きく乱れました。そんな今こそプラントベース、つまり菜食中心の食生活に切り替えるチャンスだと、栄養学のプロたちが話しています。

スーパーマーケットの棚が空っぽになったり、キッチンで過ごす時間が増えたりなど、新型コロナウイルスの蔓延は多くの人の食生活にも大きな影響を及ぼしました。なかでも興味深いのは、それまでは静かなブームだった菜食中心のスタイルが、これをきっかけに一気に広がってきたことです。

最近の統計によると、生肉の代替品(肉の代わりになる植物性食品)の売上は、5月17日の週に178.5%も増加しています。その理由について、アマンダ・イスキエルドさん(公衆衛生学修士、登録栄養士)は「新型コロナウイルスの影響で肉処理工場のスタッフが大幅に減ったり、操業停止に追い込まれた工場があったことで肉の供給量が急に減ってしまい、みんなが代替品を食べるようになったのです」と説明しています。 。

しかし、菜食中心のライフスタイルへの切り替えは、新型コロナウイルス問題の前から始まっていました。グレース・グッドウィン・ドワイヤーさん(理学博士、登録栄養士、授乳カウンセラー)によると、昨年の調査で、ミレニアル世代の25%が自分はビーガンもしくはベジタリアンだと答えているそうです。「栄養士としての私の経験から言うと、皆さんが菜食を選ぶ理由はさまざまです。自身の健康、環境への配慮、それから道徳観や心理的抵抗感などを理由にあげる人もいます」。

では、プラントベースの、優れている点はどんなところでしょうか?栄養学のプロフェッショナルの皆さんに話を聞きました。

プラントベースって?

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菜食のなかでも注目の、プラントベースについて、共通の定義はありません。ただプロの栄養士たちが熱心にすすめる食のスタイルであることは確かです。登録栄養士で『The Better Period Food Solution』 の著者、トレーシー・ロックウッド・ベッカーマンさんによると、「加工を最低限に抑えたフルーツ、野菜、全粒穀物、豆、ナッツ、種、ハーブ、スパイスなどを中心に食べること」だそうです。つまり、こうした食品がたっぷり入った食事がプラントベースなのです。

ビーガンと混同されることもありますが、ビーガンが動物性のものを一切食べないのに対し、プラントベースはもっとおおらかです。ドワイヤーさんは「菜食のいいところは『食べてはいけないもの』に注目するのではなく、『食べてもいいもの』に注目する点ですね。窮屈な思いをしながらやるよりも、余裕を持って実践できる方が、長続きしやすいので」と話しています。確かにこの厳密過ぎないおおらかさも、プラントベースの長所のひとつかもしれません。

イスキエルドさんも「植物性食品が何%以上でなければプラントベースとは言えない、といったような決まりがないのはとてもいいことだと思います。私の定義では、植物性食品が大部分であれば、あとは何をプラスしてもいいことにしています」と話しています。

プラントベースにはどんなメリットがあるの?

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植物性食品を増やすことにはたくさんのメリットがあると、プロたちが語っています。

健康にいい

プラントベースを始めると、加工を最低限におさえた植物性の食品をたくさん食べることになります。結果、生活習慣病などの健康問題との関連が指摘されている加工食品を食べる量が減ります。ドワイヤーさんは、プラントベースが健康にもたらすメリットとして、心臓病や2型糖尿病、高血圧、一部のがん、肥満といった病気のリスク低下をあげています。

環境に良い

かけがえのない地球を守るために、多くの人が環境に配慮してプラントベースを選び始めています。「植物性食品は、動物性食品に比べて少ない天然資源で生産できます」とドワイヤーさん。だから、たとえ100%植物性食品にしなくても、動物性食品を減らすだけで、その分環境にとってはプラスになるのです。

自由度が高い

ドワイヤーさんは、環境の場合と同じように、100%プラントベースでなくても健康への効果は得られると話します。「加工の少ない植物性食品の量を今までより増やすことが大切で、何%以上でなければならないという決まりはありません。たまには肉や卵、乳製品を食べても構いません」。
実は多くの人が考えている以上に、植物性食品はバリエーションが豊富です。「プラントベースにすると葉っぱしか食べられないと考えている人も多いのですが、それは誤解です」とベッカーマンさんも指摘しています。「肉を使ったレシピの多くが、別のもので代用できます。人気のある代替食材は、マッシュルーム、ジャックフルーツ、豆類などです。食物繊維を多く含み、栄養価も高いこうした食材は、さまざまな料理に使えます。ラザニア、ハンバーガー、シチューといった肉中心のメニューにも取り入れることができます」。

食費が節約できる

高級スーパーのホールフーズマーケットに入り、野菜売り場を歩いていると、プラントベースは贅沢なライフスタイルなのだなあ、と感じるかもしれません。しかし実際には、動物性食品中心の食生活よりも、ずっと安上がりなのです。イスキエルドさんは、「例えば鶏むね肉の価格は1ポンド3ドルほどですが、米と豆なら1ポンドあたり約25セントです。野菜やフルーツも、冷凍のものならフレッシュなものよりさらに安く買えます」と話しています。

デメリットはあるの?

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当然ですが、デメリットが全くない完璧な食事はありません。プラントベースでもデメリットが生じる可能性がありますので、注意が必要です。

消化器官に問題が起きる人もいます

プラントベースにするとおなかが張ることがあります。「プラントベースにすると、食物繊維の量がとても多くなります。食物繊維をたくさん取ることは消化器や循環器の健康に大変いいのですが、ガスが大量に発生して腹部の膨満感を感じることがあります。腸内細菌が食物繊維を消化するときに、副産物としてガスを発生させるからです」とドワイヤーさんは指摘します。

この問題の対処方法として、ドワイヤーさんはたくさん水を飲むことを勧めています。そうすれば、腸内での食物繊維の動きがスムーズになるからです。「女性なら1日2リットル以上飲んでいただきたいですが、活動量や筋肉量によっては、もっとたくさん飲んだほうがいい場合もあります」。また繊維の多い食品は少量から始めて徐々に増やし、少しずつ腸を慣らしていくのもいいアイデアです。

栄養不足にならないよう注意

「完全な菜食のビーガンの人は、ビタミンB12が不足する恐れがあります。天然のビタミンB12は、動物性食品の中にしか存在しないからです。ビタミンB12は非常に大切な栄養素で、不足すると貧血や神経学的変化が起きたり、不妊につながったりします。そのため完全菜食の人は、ノンデイリーミルク(非乳飲料)やシリアル、栄養酵母などのビタミンB12強化食品を食べたり、サプリメントで補うことをお勧めします」とドワイヤーさん。その他にも、完全菜食の人はヨウ素、必須脂肪酸、ビタミンDなどが不足しがちなので、注意が必要です。

思っているほど体によくない植物性食品も

植物肉やビーガンスナックも、今ではあちこちで目にするようになりました。ただし、植物性だからといって必ずしも健康的だとは限らないので気をつけてください。ベッカーマンさんは「植物性のマフィン、ハム、デザートといった加工食品には、保存料や砂糖、飽和脂肪酸が添加されていることがあります」と話しています。菜食のいいところを生かすには、できるだけ加工の少ない植物性食品を選ぶことが大切ですね。

プラントベースを始めるコツ

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プラントベース生活を始めてみようと思い立った人のために、スムーズに始められて長続きするためのコツをご紹介します。

ゆっくり始める

「ライフスタイルを変えるときは、少しずつ始めたほうが長く続きます。まずは週に1~2度、夕食をプラントベースにしてみましょう。そこから徐々に進めていくといいですね」とドワイヤーさん。

食べ慣れない食品を取り入れるときも、この方法が効果的です。「初めての植物性食品を毎週1~2品目ずつメニューに加えて、おいしく食べられるかどうか試してみます。可能性は無限大ですよ」とイスキエルドさんも話します。

毎食、必ずたんぱく質を取る

プラントベースを始める時に、多くの人が心配するのが、十分なたんぱく質が取れるのかということです。「一般的に植物性食品は動物性食品に比べてたんぱく質の含有量が少ないですが、それでも必要な量のたんぱく質を植物性食品だけから摂取することは可能です。ナッツ類や大豆を含む豆、穀類、キヌアなどの疑似穀類は、すべてたんぱく質を含んでいます」とドワイヤーさん。

ドワイヤーさんはさらに、「プラントベースをしながら必要量のたんぱく質をきちんと取るためには、たんぱく質の豊富な食品を意識してメニューに加えることが重要です。食事も間食も、毎回少なくとも1品目はたんぱく質の多いものを食べましょう」とアドバイスします。植物由来のプロテインパウダーを使うのも便利だということですが、必要な栄養は加工の少ない食品から取るのが一番いいのは言うまでもありません。

半分だけ入れ替える

プラントベースにうまく切り替えるには、食べ慣れたメニューのまま、植物性の材料を増やしていくという方法があります。「この次パスタを作るときに、麺の半分をズッキーニヌードルに入れ替えてみましょう。ハンバーガーを作るときには、パティの牛ひき肉の半分をマッシュルームに入れ替えてみます。マッシュルームにはうまみがあるので、牛肉に似た味わいになりますよ」とイスキエルドさん。

作り置きしておく

時間がないときに食事のメニューを決めようとすると、つい前の習慣に戻りがちです。「たとえば週の初めに穀物をたくさん調理しておいて毎日の料理に少しずつ使うなど、主食になるものを事前にまとめて作り置きしておくと楽ですよ」とドワイヤーさんは言います。

この記事は InStyle のジュリア・マラコフが執筆し、NewsCred パブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは legal@newscred.comまでお願いいたします。