自宅のリフォームは、人生のなかでも一大プロジェクト。決めなければならないことやわからないことも多く、楽しい反面、時には頭を抱えてしまうことも…。今回ご紹介するのは、アメリカ式リフォームにおける、建築・インテリアデザインのプロたちに訊いたアドバイス。実際にリフォームを進めるうえで、きっと参考になるようなヒントが満載です。

もしも大がかりなリフォームを考えているなら、まずは成功した青写真を思い描いてみましょう。

長い年月をかけ資金を貯め、夢を思い描きながら準備を進めてきた、念願のリフォーム。準備が整ったらビフォー写真を撮って、あとはこれから始まるリフォームを待ち望むだけ。しかし、リフォームはいつも通りの暮らしができなくなるような、コストのかかる長期プロジェクト。管理しなくてはならないことが多く、そのプロセスもわからないことだらけです。そのなかでぶつかる壁を完全に避けることは難しいかもしれませんが、正しい助言やアドバイスがあれば、スムーズに進めることができるはず。今回は、デザインや建築のプロに依頼して、役立つヒントとなるような方法を教えてもらいました。

フェーズ1:まず始める前に

写真提供: サラ・リゴリア・トランプ  / デザイン: エミリー・ヘンダーソン

「2回測ってから1回切る(念には念を)」という古いことわざがありますが、これはリフォームをするうえでも役立つアドバイスです。計画に時間をかければかけるほど、プロジェクトがスムーズに進みます。はじめる時には特に時間をかけ、以下のポイントに注意して進めるようにしましょう。

正しい開始時期を選ぶ

家全体を一度にまとめてリフォームすることはできません。「一番良く使う部屋、もしくは足を踏み入れると気分が下がる部屋から始めるのがコツです」と言うのは、インテリアデザイナーのエミリー・ヘンダーソン氏。最初に着手しやすいのは、どちらも家にとって重要なキッチンやバスルームだと、インテリアデザイナーのローレン・ベーファリン氏はアドバイスしています。

また、全面改装する余裕ができるまで、そのまま家に住み続けるという選択肢も。「一度にまとめて発注すれば材料を節約でき、複数の業者に頼むよりも安く済みます」とは、インテリアデザイナーのマリーナ・ハニッシュ氏。また、younghouselove.comの作者兼DIYブロガーのシェリー・ピーターサイク氏は、リフォームをするまでの間に、自分の暮らし方を見つめ直すこともできると言います。家の中のスペースがどのように機能しているかを見極めるには、時間がかかるからです。「引っ越して来た時点でキッチンをリフォームしていれば、もともとあるデッキに引き戸を取り付けていたかもしれません。けれども最終的には、このデッキは撤去することになりました。」

自分の好きな外観を思い描く

雑誌、Pinterest、Houzzなどを見て、インスピレーションを集めましょう。「このプロセスには、最低2週間は時間をかけて、発想を浸透させていきましょう」と、ピーターサイク氏。「そしてお気に入りの画像を選び、新しいフォルダやピンボードに移動させます。画像が似通っているか、あるいは同じ好みの要素が集まっていることに気づくはずです」

予算を立てる

予算の範囲を決める場合は、ファイナンシャルプランナーの力を借りると良いでしょう。予算を把握したら、ローカルの不動産屋に相談して、その地域のリフォームの施工例を見学に行ってみます。あるいはオンラインに掲載されていれば、それをチェックするのも良いでしょう。「今後5年間で売却する予定がある場合は、回収できる以上の額を投資しないことです」と、建築家のスージー・マリニエロ氏は言います。

次に、「必須」と「あると望ましい」に分けて、優先事項を整理します。「必須」項目は、そこでの暮らし方を変える機能のこと。ライフスタイルやビジョンに必須の要素なので、なくしたり、妥協したりできないものです。キッチンのリフォームを例に挙げると、「必須項目」は、壁を取り払ってファミリールームまで空間を広げる事で、「あると望ましい」はガスレンジの後ろにポットフィラー用の蛇口を取り付ける事などが挙げられます。

プロに依頼する

たとえば、身元や経歴を調べずに、見ず知らずの人をベビーシッターとして雇うことはないはずです。同様に、家のリフォームをプロに依頼する場合も、あせるばかりにここを疎かにしないようにしましょう。過去の顧客に話を聞いてみることを勧めるベーファリン氏は、確認すべきポイントについて「責任感はあるか、信頼できるか、納期を守るか」を挙げています。地元の商事改善協会に問い合わせて、業者に対する苦情が記録されていないかも確認しましょう。

プロ意識がきちんとあるかをチェックすることも大事です。「見積りをきちんとしていない用紙に書く、契約書を作成しない、連絡先が携帯番号しかない。これらの事はレッドカードになる要素」と、ピーターサイク氏。「名刺、資格や保険の証明、正式な見積書、業務内容、スケジュール、支払い予定を明記した契約書が必要です」

必ず少なくとも3社からは見積りを取るようにします。「業者のふるまいや見積りの提示を見て評価をしていきますが、入札を頼む前に自分で行った概算の見積りも確認しましょう」と、インテリアデザイナーのトレイシー・モリス氏は言います。「一社だけが極端に高い、あるいは低い提示で、他の二社が近い数字なら、外れた見積りを出した業者がおかしいのか、または見積りに別の要素を入れていることがわかります」

入札額が予想以上に高い場合は、優先順位をつけたリフォームのプロジェクトウィッシュリストに戻り、下位から項目を外します。あるいは、リフォーム計画を小さなまとまりに分け、一部はすぐに実行し、残りは後日にすることもできます。一部の項目については、業者と交渉することもできますが、モリス氏はこの時、注意が必要だと言います。「リフォームプロジェクトの最初の段階から業者に対する交渉に圧力をかけすぎると、後日、気に入らなかった部屋の色の塗り直しなど、無償作業を行ってもらえる可能性がなくなってしまう場合があります」。ただし、一つ例外があるとし、「数件入札を受けていて、作業を依頼したい業者が他社よりも高い場合は、そのことを率直に話し、譲歩できるかどうかを確認してみましょう」と話しています。

フェーズ2:準備ができたらいよいよスタート

写真提供:younghouselove.com

計画を実行に移し、リフォームプロジェクトチームの準備も整いました。でも、ただゆっくり座って作業を見ているわけにはいきません。リフォーム計画の軌道を正しく保つためには、関心を向け続けることが大事です。

思わぬ落とし穴に注意

作業を開始した後に計画を変更すると、必然的に時間と費用が余計にかかります。「スケジュールや予算が狂う可能性がある場合は、途中で変更するのではなく、プロジェクトを開始する前に時間をかけて、詳細を決めておきましょう」と、請負業者のハワード・モレン氏はアドバイス。設計や建築士は、顧客が完成予想図を確認し、調整を加えられるように、図面やレンダリングを使用して計画を提示する事がほとんどです。

円滑にプロジェクトを進めるためのもう一つのヒントは、「作業が始まる前に、材料を現場にそろえておくこと」と、ヘンダーソン氏。「業者を途中で待たせることはしたくないはず。作業を中断している間に、他のプロジェクトに移ってしまう可能性も否定できません。そうなると、あなたのリフォームプロジェクトに戻ってもらうのが難しくなってしまう場合もあるのです」

また、木のフローリングの設置には、十分な準備期間が必要だということを認識しておきましょう。「少なくとも、設置の2週間前には現場に届けておき、室内の温度と湿度になじむよう、使用する部屋に保管する必要があります」と、モレン氏。「設置後に木材が膨張、あるいは収縮して、歪みやズレが生じる可能性があるからです」

よく連絡を取り合う

「アイデアをリフォームプロジェクトのチームに伝える場合は、『百聞は一見にしかず』を信条にしましょう」と、アンバー・ルイス氏は言います。「希望を正確に伝えるのにはこの方法がベストです。設計士や建築士は視覚的な人間が多いですから」。また、専門用語がわからなければ、好きなものを指差すだけでも良いと言います。「当社のプロジェクトでは、図面をラミネート加工して壁に貼るんです」とヘンダーソン氏。「こうしておけば、部屋で作業している全員が平面図と測定値をチェックし、マーカーで変更を書き込むことができます」

課題に対して寛大に対処する

悪天候や、構造工事、配管工事、電気工事、建築工事のミスこのような状況に遭遇することがあるかもしれませんが、あらゆる問題には解決策があるものです。「チームを信頼しましょう。彼らを選んだのには理由があるはずです」と、ルイス氏は言います。「とはいえ、自分の直感を信頼することが大切。100%自分の希望と沿わない場合は、それをはっきりと伝えましょう」

フェーズ3:完成!さあ、次は?

写真提供:アンバー・アルマー + エルシー・ラーソン

しっくいの埃がおさまり、スタッフが帰っていきました。部屋は素晴らしい出来上がり。でも、「ビフォー」と「アフター」の写真を投稿する前に、まだすべきことが残っています。

パンチリストを完了させる

プロジェクトが完了しても、廊下にペンキのシミが残っていたり、キッチンのコンセントが曲がっていたり、ろうそく立てが逆さまに取り付けられているなど、手直しが必要な小さなミスがたくさん残っている可能性があります。建築のプロは、こうした最終工程を「パンチリスト」と呼んでいます。契約書には、パンチリストの工事が完了するまで、最終支払いを行わないという条項が含まれているはずです。「作業が完了したら、ポストイットを持って全室を回り、手直しが必要な箇所があれば、貼り付けましょう」と、ハニッシュ氏は説明します。ただし、業者に伝えなければならない問題があれば、作業が終わるまで待つ必要はありません。

先を読んで考えること

また仕事を依頼したいと考えているなら、リフォームを請け負った会社との関係が途切れないようにしておきましょう。新規案件の紹介やレビューで好評価を付けることで、良い関係を保つことができるはずです。あとはゆっくりと完成したリフォームされた空間を楽しみましょう。次のリフォームプロジェクトを考える余裕ができるまで。

 

話を伺ったエキスパート達

Lauren Behfarin ニューヨーク在住のインテリアデザイナー
Erin Gates ボストン地域在住のインテリアデザイナー
Mandi Gubler DIYブロガー / vintagerevivals.com
Marina Hanisch ニューヨーク在住のインテリアデザイナー
Emily Henderson インテリアデザイナー兼ブロガー / stylebyemilyhenderson.com
Amber Lewis ロサンゼルス在住のインテリアデザイナー
Suzie Mariniello ニューヨーク在住の建築家
Christine Markatos Lowe カリフォルニア州サンタモニカ在住のインテリアデザイナー
Howard Molen ニューヨークの請負業者
Tracy Morris バージニア州マクリーン在住のインテリアデザイナー
Skylar Olsen Zillowの経済研究ディレクター
Sherry Petersik younghouselove.comの執筆者兼DIYブロガー

 

この記事はReal Simpleのアマンダ・レッキーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたしします。