地球環境のため、自分自身の健康のため、食事選びに気を配る人が増えています。2020年の新たなトレンドとは?健康的な食生活を提案するEating Well編集部が、次にブレイクしそうな食と健康のトレンドをご紹介します。

1. インテュイティブ・イーティング

インテュイティブ・イーティングは、すでにあちこちでブームになりつつあります。

実は90年代の初めにはすでにあったエブリン・トリボール、エリス・リーチという2人の栄養士が始めた考え方なのですが、ここにきて大きなブームの兆しが見えています。みんながダイエットに疲れてきて、自分の体をもっとポジティブにとらえようというムーブメントが起きはじめたことを背景に、食べることを心から楽しみ、毎日を楽しく暮らそうとするインテュイティブ・イーティングが注目されているのです。簡単に言えば「食事制限をしない」「いい食品、悪い食品と決めつけない」「好きなものを食べることを自分に許す」という方法です。

プライス編集長はこう言っています。「世の中にはいろいろなダイエット法がありますが、ある種類の食品をまるごと抜いたり、この食品は食べてはだめとか、これはいくつまでならOKとか、実践しにくい制限を強いられるものがたくさんあります。そんな厳しいダイエットは、長続きしません。インテュイティブ・イーティングは食事を制限しないで、賢い食べ方を目指しているところが素晴らしいと思います。ダイエットのためではなく、生きるための食べ方なのです。この方法で大切なのは、バランスよく食べること、好きなものを食べること、自分の体を信じて適量を体に決めてもらうということです」

2. CBD

「アメリカでは、2018年に可決された新しい農業法によってヘンプ(産業用大麻)の栽培規制が大きく変更になり、全米の農家が次々にヘンプ栽培に乗り出しました。ちょっとしたゴールドラッシュのようですね。ヘンプから取れるCBDを添加した製品は、種類も数も驚くほど増えてきています」と、プライス編集長。CBD(カンナビジオール)はヘンプに含まれる向精神作用のない化学化合物で、さまざまな症状に効く万能薬として販売されています。ヘンプはマリファナとも関連する植物ですが、CBDにはTHC(テトラヒドロカンナビノール)は含まれておらず、「ハイな気分」になることはありません。アメリカの食品医薬品局(FDA)が消費者向けにCBDについての警告を出しましたが、2020年以降、CBDを添加した製品はさらに増えると思われます。

さまざまな効果が謳われているものの、そのすべてに科学的根拠が明らかになっているわけではありません。問題はないのでしょうか?プライス編集長は「よく眠れるとか、頭痛や傷の痛みが軽くなるとか、いろいろ言われていますが、そういう宣伝文句をすべて信用したら、朝・昼・晩とCBDを飲むことになってしまいます。EatingWellでは、うますぎる話は用心深く受け止めることにしています。研究結果を調査しましたが、はっきりと証明された点はあまり見つかりませんでした。しかも正しい摂取量や濃度を定めた規制はなく、表示も統一されていません。お金を無駄にしないことをお勧めします」と話しています。もっと詳しく知りたい方はCBDに関する研究をお読みください。

3. サステナブルなシーフード

Fresh seafood

EatingWellは、サステナブルな食生活を大切にしています。それはシーフードについても同じ。「私たちがどんなシーフードを食べるかは、まず最初に私たちの健康に大きな影響を及ぼし、やがて海の健康に影響を及ぼします。」と、プライス編集長。

大切な海を守るために、歓迎すべき傾向として、サステナブルなシーフードを選ぼうというトレンドがこれまでになく大きくなっています。海水の温度は上がり続けており、このままでは、いつも食べていたお気に入りの魚が手に入りにくくなるかもしれません。そうしたことを背景に、レストランではサステナビリティを意識したメニューが増えていて、消費者も(エビとサーモンばかりにこだわらず)食べ慣れない魚にもどんどん挑戦するようになっています。

4. 植物性タンパク質

Vegan plant based milk

「環境を考えて買うものを選ぶ、動物を大切にする、健康的なものを食べるといった考え方はもはや当たり前のものになりつつありますが、こうした流れと関連して人気上昇中なのが植物性タンパク質です。しかも最近は、ビヨンドミートやインポッシブルミートがリードするかたちで植物性タンパク質の技術が飛躍的に向上し、見た目も、味も、食感も本物の肉そっくりの代替肉が登場しています」とプライス編集長。

植物性タンパク質をたくさん食べているのは、ビーガンだけではありません。

ふだん肉を食べている人も、豆、豆腐、代替肉などを取り入れて植物性のタンパク質を増やそうとしています。EatingWellでも、日々の食事に取り入れられるよう、タンパク質含有量の多いベジタリアンフードやビーガンフード を紹介しています。

5. 再生可能な農業

プライス編集長によると、「EatingWellは再生可能な農業に数年前から注目していた」そうです。

「ここにきてオーガニック・バレー、ゼネラルミルズ、パタゴニアなどの大企業の後押しも実を結び、今年は本格的なブームになると思います。今、食品についても『再生可能』という言葉が使われるようになり、より良い食を目指す人たちのあいだで専門用語として定着しつつあります。

具体例として、再生可能な動物飼育は土壌の栄養を増やしたり、大気中の炭素をつかまえて土の中に閉じ込めることにつながったりします。また栄養分が飼育地の外へ流れ出して水を汚染することも防げます」。

6. プロバイオティクス

ここ数年、腸の健康がトレンドになっていますが、これまで主に注目されてきたのは善玉菌のプロバイオティクスでした。一方プレバイオティクスは食物繊維の一種で、やはり腸を元気にする働きをします。腸の中で善玉菌のエサになり、善玉菌を増やして悪玉菌を減らしてくれるのです。キクイモ、ポロネギ、玉ねぎ、ラズベリー、豆類などに多く含まれています。また飲料やシリアル、グラノーラバーなど、プレバイオティクス入りの食品も販売されています。

7. アダプトゲン

今までアダプトゲンという言葉を聞いたことがない人も、今年はたびたび耳にするかもしれません。

アダプトゲンというのは、ストレスに対する体の抵抗力を強化して免疫力を高めるとされるハーブの総称です。アシュワガンダ、ロディオラのほか、冬虫夏草などのキノコ類も含まれます。パウダーのかたちで販売されたり、他の食品に添加されたりするのが一般的で、アダプトゲンパウダー入りのスムージーやフードバーがいろいろ発売されており、いくつかの効果があることが研究で明らかになっていますが、ご自身の食事に取り入れるときは、あらかじめ医師の意見を聞いた方がいいでしょう。また、たまにスムージーにふりかける程度では、健康効果は期待できないかもしれません。続けることがポイントです。

8. グレインフリー(穀物不使用)食品

EatingWellでもたびたびお伝えしているように、ホールグレイン(全粒穀物)は食物繊維など大切な栄養素を含む、健康にメリットのある食品です。炭水化物も恐れる必要はありません。ですが、穀物を食べてはいけないというダイエット法(パレオとか、ケトジェニックとか)が根強い人気で、食品メーカーもそこに気をつかっているため、穀物を使わないベーグル、クラッカー、グラノーラ、チップス、トルティーヤなど、グレインフリーの新製品がお店にたくさん並んでいます。これらの多くは、穀物の代わりにキャッサバ粉を使っています。またタピオカ粉やアーモンド粉、ひまわりやカボチャの種の粉などを使ったものもあります。ただし穀物を含まないからといって、それだけで健康的だとは言えません。こうした食品には食物繊維が入っていないことも多いのです。原材料名や栄養表示をちゃんとチェックして、自分が何を食べているか、知っておいてくださいね。

9. 低アルコール飲料、ノンアルコール飲料

Glass of a freshly prepared cocktail drink

盛り上がるのはいいけど、二日酔いは嫌ですよね。きっぱり禁酒した人から、今日だけは酔いたくないという人まで、低アルコール飲料やノンアルコール飲料への関心が高まっています。バーのメニューにもノンアルコールのクラフトビール、シードル、スピリッツが登場し、工夫をこらしたノンアルコールカクテルもたくさん並んでいます。禁酒を考えている人は、お酒をやめるとどんなことが身体に起きるのかの記事を読んで、それからノンアルコールカクテルのレシピに挑戦。ノンアルコールブームに乗っちゃいましょう。

10. タヒン

Baked grilled chicken wings

エブリシングベーグル・シーズニングも、そろそろスターの座を明けわたすときがきたかもしれません。

タヒンは、チリパウダー、乾燥ライム、塩が入ったミックススパイス。1985年からメキシコで発売されていて、新しい商品ではないのですが、最近どんどん人気が高まっています。

フルーツ、たまご、野菜、魚、ポップコーンなど、どんなものもぱっと華やかにしてくれるスパイスです。少しスパイシーですが、激辛ではありません。トレーダージョーズからは、チリライムシーズニングブレンドの商品名で出ています。タヒンについて詳しく知って、使い方のアイデアを見つけてみてください。

この記事はEatingWellのリサ・バレント( 理学修士、米国登録栄養士)が執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。