エコフレンドリーな場所って、どんなところでしょう?
一口に「エコ」と言っても、「エコ」にはさまざまな形があります。サステナブルな材料を使って学校を建設し、100枚以上のソーラーパネルを設置したインドネシアのような国もありれば、市民が市の土地を借り受けて、にぎやかな公園を作っているベルリンの住宅地クロイツベルグのような場所もあります。またアメリカにはエコに対する優れた取り組みを進めている都市がたくさんあり、気候変動との闘いを自らの使命としている市長がいる街があるほど。
あらゆる意味で「グリーン」なアイスランドから、使わなくなった高速道路を美しいスカイガーデンに変身させて観光客を魅了している韓国のソウルまで、エコフレンドリーな町は世界中にたくさんありますので、ぜひ出かけてみてください。

今回は、エコフレンドリーな旅が楽しめる世界中の都市をご紹介します。

1. バリ(インドネシア)

世界で一番エコな学校、バリ島のグリーンスクールをはずすわけにはいきません。元宝石デザイナーのジョン・ハーディーが2006年に創立した学校で、バドゥン県北部のシバンカジョ村にあります。自然の素材で作られた校舎や100枚以上のソーラーパネルを使った発電など、サステナブルな学校として知られています。子どもたちはクラスごとに割り当てられた田んぼの手入れをしながら、サステナブルな生活の方法を学んでいます。

2. サンタバーバラ(アメリカ・カリフォルニア州)

サンタバーバラカウンティの北東端には、カヤーマ川に沿って、川の氾濫で形作られた険しい谷や崖が続いています。人口の少ない地域ですが、石油や天然ガスの生産が盛んです。ここの自慢はサステナブルな農業で、ヘルシーなピスタチオ、ワイン用ブドウ、レタスなどを栽培しています。

3. ヘルシンキ(フィンランド)

バルト海に面する港町ヘルシンキは、2050年までに自動車のない街になることを目指しています。2012年には歩道と自転車道の整備を完了。フィンランドの日常語で「鉄道」を意味するバーナ(Baana)は、その呼び名が示すとおり鉄道の跡を利用してつくられた自転車専用道路です。元の鉄道の構造をできるだけ生かし、緑や照明を新しく付け加えて整備しました。バーナの南端には、卓球台、ペタンクコート、バスケットボールコートがあります。

4. ベルリン(ドイツ)

旧西ベルリンの下町クロイツベルグ周辺は、開発が進んできれいな住宅が増えていますが、それにともなって家賃も値上がり傾向にあります。NPOのノルディックグリーンは、市から遊休地を借り受け、緑豊かな公園を作って「プリンセスガーデン」と名付けました。ここの植物はコンテナや袋などの中で育てられ持ち運びできることが特徴で、他の場所に持って行って新しいガーデンを作るのも簡単です。ノルディックグリーンの運営メンバーは25人。土を販売したり、レストランで料理を提供したりして収益も上げています。

5. ラナースニー(イギリス・ウェールズ)

イギリス・カーマーゼンシャー州の田園地帯にあるナショナル・ボタニックガーデン・オブ・ウェールズは、古い歴史がある一方、この地域で最も先進的な植物園だとも言えるでしょう。このあたりは1600年代の初めころにミドルトン家の領地になった場所ですが、今では自然の豊かさをたっぷり味わえる広大な植物園になっています。なかでも世界最大級の区切りのないガラスの温室や、国立自然保護区、新しくできた熱帯の蝶の展示館は必見です。

6. デンバー(アメリカ・コロラド州)

建物の屋根や屋上には、必ず庭やソーラーパネルを設置しなければならないと決めたデンバー市の条例300号は、必ずしもすべての人に歓迎されたわけではありませんでした。それでもマイケル・ハンコック市長は多くの市民の支持を力に、気候変動との闘いを続けています。パリ協定の支持表明に加え、昨年は、ベンチャーが起業しやすくするための3カ年プロジェクトを発表しました。

7. サンディエゴ(アメリカ・カリフォルニア州)

ネイチャーコレクティブは、南カリフォルニアで活動する非営利の自然保護団体です。エンシニータスという町にある77エーカー(約30万平方メートル)の土地など、自然あふれる土地を預かって保護活動をしています。来年はネイチャーコレクティブのスタッフとボランティアが協力し、管理地域内で生息する野生の植物や動物を元気にするため、環境を回復させる活動を行います。それに合わせて、来訪者も自然を楽しめるように遊歩道も整備します。

ここにはサンディエゴ・ポケットネズミや、カリフォルニア・ブユムシクイという野鳥など、絶滅が危惧される生物も住んでいます。

8. バンクーバー(カナダ)

2017年6月の報道によると、バンクーバーでは毎週260万個の使い捨てコップがゴミになっていました。市では今、こうしたゴミ問題に真剣に取り組んでいます。また議論が対立していたホームレスのためのプレハブ住宅プロジェクトも、先日承認されたそう。

バンクーバーでは交通問題への取り組みも進んでおり、グレガー・ロバートソン市長によると、自動車から徒歩、自転車、公共交通機関に切り替える人が増えているそうです。

9. ミルウォーキー(アメリカ・ウィスコンシン州)

「冬よ、かかってこい!と言いたいですね」と、ミルウォーキーのトム・バレット市長は胸を張ります。以前、ミルウォーキーの4インチルールと呼ばれる規則があり、雪が4インチ(約10cm)以上積もった場合、一部の住宅地で路上駐車が禁止されていました。バレット市長はこのルールを撤廃。その代わりとなる雪の対策として、塩化マグネシウムとさび止め剤を混合した「グリーンソルト」を新たに散布することを決めました。

10. フェニックス(アメリカ・アリゾナ州)

フェニックス市のグレッグ・スタントン市長(当時)は、路面電車「ライトレール」の拡大に力を入れ、その規模を3倍にまで広げました。しかも同年6月には、パリ協定を支持することを明言。フェニックス市が掲げていた「温室効果ガスの排出を2025年までに40%削減する」という目標に、引き続き取り組んでいくことにしました。
順調なスタートを切った第2期スタントン市政は、その年のうちに温室効果ガス15パーセント削減を実現しました。

11. アイスランド

アイスランドは、さまざまな点でエコな国です。電力や熱源をすべて再生可能エネルギーでまかなっているほか、人口の少なさも幸いして、大気汚染の問題もほとんどありません。「アイスランド(氷の大地)」といういかにも寒そうな国名ですが、実は昔、人々が移住してこないようにバイキングがわざとつけたという説があります。実際、アイスランドの夏は緑もきれいで、気温もグリーンランドより高くなるのです。

12. ベクショー(スウェーデン)

スウェーデンの南部に位置するベクショー市。自ら「ヨーロッパで最もエコな都市」を名乗っていますが、それもあながちうそではありません。気候変動が話題になるずっと前の1990年代に、ベクショー市議会は「2030年までに化石燃料の使用を廃止する」ことと、「20年以内にCO2排出量を半分にする」ことを宣言しました。
2015年現在、市内の暖房の90%を近くの森林から出る廃棄木材によってまかなっているほか、電力に関しても、地域の小規模水力発電や風力発電、バイオマス発電、ソーラー発電などを活用しています。

13. ソウル(韓国)

ニューヨークの公園、ハイラインによく似たソウルのスカイガーデン。使わなくなった高速道路が、美しい公園に変わったのです。24時間オープンしていて、パフォーマンススペースやショップ、図書館などが並び、周辺の商業施設とはブリッジでつながっています。2万4000本の植物がまるで図書館のように、ハングルの語順ごとにグループにわかれて並び、それぞれがスペースの用途を示しています。たとえばバラの花が表すのは劇場など、ユニークなアイデアが施されています。

14. ラ・フォルトゥナ(コスタリカ)

農業が中心ののどかな町ですが、アクセスの良さとアレナル火山の壮大な眺めが観光客の人気を呼んでいます。公園や自然保護区、熱帯雨林などの観光に加え、最近はエコツーリズムも盛ん。コスタリカでは、サステナビリティを基準に宿泊施設のグレードが決められているほか、自然をテーマにしたプロジェクトも次々に登場しています。そのひとつ、フィンカ・ルナ・ヌエヴァは、207エーカー(約84万平方メートル)の敷地に、生物多様性を生かしたバイオダイナミック農場や、倒木を使って建てられたエコロッジがあり、自然を楽しめる施設です。

15. パラオ

西太平洋に浮かぶ島国パラオの魅力は、なんといっても雄大なサンゴ礁や熱帯の景色。世界の観光地の中でも特にエコツーリズムが盛んなところです。環境問題に取り組むNPOのブルー・プラネット・ユナイテッドがパラオ・プロジェクトを実施していて、そのプログラムのひとつであるパラオ・エクスペディションではアメリカの大学生がパラオの自然や社会制度について学んでいます。
観光で訪れても、遊牧民とお茶の時間を過ごしたり、エコロッジに滞在したりするなど、地元の人々との交流を楽しむことができます。

16. マヌー国立公園(ペルー)

マヌー国立公園は、ペルーの南西部、熱帯アンデス気候のアマゾン盆地ある広大な自然公園です。生物多様性に富み、エリアごとの標高差も大きく、さまざまな気候が入り混じっているため、たくさんの種類の動物や植物を見ることができます。マヌー国立公園を世界遺産に登録したユネスコによると、約850種類の鳥、2,000~5,000種類の植物、そして200種類以上の哺乳類がいるとされていますが、これはあくまでも推計。学者の中には、もっと多くの種がいると考えている人もいます。

17. 湖北省の神農架(中国)

中国でもっとも豊かな生物多様性を誇る3地域のうちのひとつ。ユネスコによると、19世紀から20世紀にかけて、世界中のプラントハンターがここを目指してきたそうです。世界遺産「湖北省の神農架」は、中国東部の内陸にあり、西の神農架と巴東、東の老君山のふたつのエリアで構成されています。中国有数の広大な原生林が残っていて、希少な動物がたくさん生息しています。

18. 大ヒマラヤ国立公園(インド)

ヒマラヤ山脈の西側、インドのヒマーチャル・プラデーシュ州に広がる、世界遺産にも登録された国立公園です。ユネスコによると、森林の種類は25種類、多様な生態系の動物が見られ、ヒマラヤタール、ブルーシープ、ヒマラヤクロクマなど31種類ほどの哺乳類も生息しています。

19. ウルグアイ

さまざまな種類のエコフレンドリーな宿泊施設や、主に廃棄物を使って建設された学校ウナ・エスクエラ・サステナブルなどが見どころです。また電力のかなりの部分を風力発電でまかなったり、GDPの一部を投資して国内のエネルギーシステムが環境に及ぼす影響を見直すなど、エネルギー政策もしっかしています。

20. アゾレス諸島

9つの火山島が連なるポルトガル領アゾレス諸島。政策として再生可能エネルギーの利用を進め、建築物を制限するなど、世界有数のエコロジーな場所です。グラシオーザ島、フローレス島、コルヴォ島の3島がユネスコのエコパークに指定されているほか、ラムサール条約の登録地が13カ所(大規模な湿地)、ブルーフラッグ認証を受けたビーチが30カ所あり、見どころがいっぱいです。

この記事はTravel & Leisureのジル・クラースニーが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。